きっかけは東日本大震災―3.11でした。
被災地で不安を抱える子供たちや、その子供たちに接する大人たち。彼らに対して「私たちに何かできることはないのだろうか」…そんな気持ちで自分たちにできることを模索し続け、誕生したのが、この「チーム:子どもの話を聴くときは」です。
まずメンバーの土井幸美(教員)が出会ったのは、阪神・淡路大震災の経験から作成された「兵庫県教育委員会 防災マニュアル」でした。このマニュアルの中に「子どもの話を聴くときは」という項を見つけた私たちは、現場で不安の中にいる子どもたちに関わる大人への大切なメッセージだと感じ、この内容を広く多くの人々に伝えたいと考えました。
この“10の言葉”は、聞いてくださった方々の共感を呼び、震災直後には地元のラジオ局で流していただいたこともありました。今も、「震災を経験していませんが、子どもと話すときに思い出しています」「この言葉をプリントアウトして冷蔵庫に貼っています」といった言葉をいただいています。
この防災マニュアルを、平丸久美子(劇作家)が人々の心に届きやすい詩にし、根岸季衣(俳優)が朗読。そうして、「子どもの話を聴くときは―兵庫県教育委員会 防災マニュアルに基づいて」は誕生しました。これが、「チーム:子どもの話を聴くときは」の始まりです。
根岸季衣
女優。桐朋学園在学中につかこうへいと出会い、舞台「ストリッパー物語」の主演を務め、鮮烈なデビューを飾る。78年「ヒモのはなし」で紀伊国屋演劇賞個人賞受賞。以降、テレビ『ふぞろいの林檎たち』シリーズ(83~/TBS)映画『夢』(90/黒澤明監督)、舞台『パーマ屋スミレ』(読売演劇大賞優秀女優賞受賞)等々。
ブルースバンド・季衣&The Blues Roadではヴォーカルを務める。
職種の違うお2人と毎年楽しい事を模索中。自分達もわくわく出来る活動を続けていきたいと思っています。
平丸久美子
公務員、劇作家などを経て、現在は、放課後ディーサービスに勤務。劇作家時代には、篠原久美子の名前で、『空の村号』、『チトーみどりのゆびを持つ少年―』など、児童・青少年向けの作品を多く執筆する他、演劇教育も行う。
現在は、一般社団法人ピースセルプロジェクトの代表理事として、イラクの子どもたちの教育支援に携わっている。
子どもたちと青少年のために、自分にできることを、ひとつひとつ、していければと思っています。
土井幸美
長年、さまざまな違いのある子どもたちといっしょに過ごす。現在は、「きこえとことばの教室」の教員。UAEでの教育活動や手話を学んだ経験を活かし、特定非営利活動法人『パレスチナ子どものキャンペーン』から派遣され、パレスチナ・ガザ地区のろう学校でボランティア活動を行った。
パレスチナ関連のドキュメンタリー映画『ガーダ -パレスチナの詩-』(監督・古居みずえ)や『沈黙を破る』(監督・土井敏邦)に特別協力の形で参加。