久しぶりの投稿になります。
2021年の夏は、大変な思いで日々を過ごしておられる方もたくさんいらっしゃると思います。
なんとか、元気になれるなにかがないかなぁ、と考えておりました。
そういう時だからこそ、「チーム・子どもの話を聴くときは」の活動が大切!と焦る気持ちもあります。
でも、やっぱり、私たちの活動は、人との“リアル”な出会いを大切にしたいので、今年も福島での活動は延期にとなりました。
来年こそは!待っててくださいよ~~~!
昨日のトッシー・クッコ・ユッキー・ミーティングで、「次は、人形劇ワークショップかな」と期待に胸ふくらませています。
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- トッシー=根岸季衣さん、クッコ=平丸久美子さん、ユッキー=土井幸美 幸美が勝手に命名しました。
その、トッシー・クッコ・ユッキー・ミーティングでもう一つ話題になったのが、
- 最近で出会ったステキな絵本
- これまでに読んだ心に残る児童文学
- かつて息子たちに読みきかせた絵本
……など。
根岸さんは、今、各地で上演中の朗読劇「この子たちの夏 1945・ヒロシマ ナガサキ」での出会いについても書いてくださる予定です。
実質的になかなか動けない間、「こどもの本、こどもと本」をテーマに、HP上にコラムを書いていきます。
これまた、私たちのペースはゆっくりですけれども、ご期待ください。
きょうの「子どもの本、こどもと本」 by ユッキー
- 題名
- ぼくは川のように話す
- 文
- ジョーダン・スコット
- 絵
- シドニー・スミス
- 訳
- 原田勝
- 発行
- 偕成社
私は「きこえとことばの教室」で、難聴の子どもたち、吃音のある子どもたち、発音の練習をしている子どもたち、ことばを自分のペースで学んでいく子どもたちと日々過ごしています。
子どもたちは、週一回、もしくは隔週くらいで保護者といっしょに通ってきます。
きこえとことばの教室の学びはオーダーメイド。学習形態は一対一なので、その子に合わせた一時間の学びを、毎回準備します。
夏休みが明けたら、子どもと味わいたい絵本に出会いました。
ご紹介する一冊目は「ぼくは川のように話す」です。
私たちは、自信をなくしている子どもに「大丈夫、あなたはあなたのままでいいんだよ」と安易に言ってしまうことがあります。そんなことをちょっと言ってしまった時のAさんとユッキーの会話です。
- A:
- 先生、吃音じゃないじゃん。そういう人は、ぼくのホントの気持ちはわからないんだよ。
- ユッキー:
- そうかぁ、そうだよなぁ、無責任に「あなたはあなたのままでいい」なんて言ってて、めっちゃお気楽な人って感じだね。Aさんには、わたしって、いい加減な大人に思えるかなぁ。
- A:
- まぁ、そこまでは言わないけど。先生にそういうの失礼だから。ただ、ぼくは、もっと厳しい中で暮らしてるんだよ。学校なんて、大変だよ。このままでいいなんて、思えないよ。やっぱり、吃音はない方がいい。
Aさんは、率直に現実を語ってくれました。
「ぼくは川のように話す」のぼくも、Aさんが語る「厳しい中」に暮していました。でも、ぼくは変わっていきます。その変化が、詩人であり、吃音の当事者でもあるジョーダン・スコットの言葉と、豊かで美しいシドニー・スミスの絵によって、私たちの意識にガッツリと刻まれます。
あとがきになる「ぼくの話し方」は、また、とてもいい文章です。安易な「あなたはあなたのままでいい」とは程遠い、「…でも、そうなったら、それはぼくではありません。」という言葉の柔らかでありながら毅然とした自己宣言。「ぼく」がかっこいいんです。
早く、ことばの教室が始まらないかな、と待ち遠しいです。子どもたちといっしょに味わいます。
もう1冊
- 題名
- 葉っぱ切り絵コレクション いつでも君のそばにいる 小さなちいさな優しい世界
- 著者
- リト@葉っぱ切り絵
- 発行
- 講談社
朝日新聞(2021年8月8日)にこの本とリトさんが紹介されていました。
記事の出来は、私にとってはちょっと嫌な感じでした。『「要領が悪い」言われ続けたけれど』『ADHDの男性、やっと見つけた「できること」』という見出しが、あまりにも露骨な感じがしたから。
「障害があるのにこんなことができる」みたいな紹介は昔から好きじゃない。でも、ずっとずっとなくならない。残念なこと。
だから、記事は読んだけど、この写真集を買おうとは思っていなかった。でも、買っちゃいましたよ!
本屋さんに立ち寄ると、超人気本なので、店頭にいっぱい積んでありました。パラパラ、と葉っぱの切り絵を見て、そして、切り絵に添えられたお話を読みました。
うおおおおおお~~~、お話がすごくやさしい。「親子で読んだら幸せになれるかも」「保土ヶ谷(横浜市保土ヶ谷区)出身」との書店員さんのポップにも後押しされて、そのまま葉っぱ切り絵作品集をもってレジコーナーへ向かってました。
- もうっ、またハチミツですか!
- 毎日の原動力
エルマーも、スイミーも、宮沢賢治も、E.T.もいます。
私は一人でウヒョウヒョ言いながら鑑賞しましたが、だれかといっしょに楽しむこともお勧めします。
ユッキーの「こどもの本、こどもと本」でした。
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