コロナ禍で舞台の稽古もリモートへ

今、ミュージカル「ビリーエリオット」の稽古に入っています。写真は稽古場内での飲食禁止のため、食事をとる為に用意された部屋です。アクリル板で仕切られ、会話も厳禁で図書館のような静けさ。
本来は7月から上演開始だったのが2ヶ月遅れて9月開幕予定です。今年の初めに「フォーチュン」の稽古のために通っていた同じ道のり、人の流れに活気が失せ、人々のマスク、マスク…初めはちょっと泣きそうになりました。

ビリー役の子供達は3月からリモートで稽古を続けていました。イギリス人の演出家。振付、歌唱指導はオーストラリアからの参加です。そこに通訳が入る訳で、二重三重にデジタルの助けを借りて、プラス三年前の日本初演に携わった日本人スタッフも加わっての稽古です。稽古場では検温、消毒は勿論、全員マスクを着けたまま。フェイスシールドも場面により追加され….半年前までは、SFとしか思えなかった光景が今,日常の稽古場風景になりました。

私のように古い人間は、なんだか液晶画面からのダメ出しがもどかしく、哀しくなってしまったりするのですが、子供達にとっては、初めからリモートの中で創り上げて来ているので、きっとそれが当たり前になっているのでしょう。難なく受け入れているように見受けられ、伸び伸びと演技しています。この子達は、こうしてリモート社会の中で感性を育てて行くのでしょう。『ああ時代は変わってしまったのだ…』と、オバサンは只々感慨深くなるばかり。

フィナーレの力強いタップが稽古場の床にドーンドドーンと響くと、「お客様に感動を持って帰って貰うんだ!」「絶対成功させるんだ!」そんなスタッフ出演者全員の心意気が溢れ出て来て、アナログの臨場感に胸が熱くなります。

ずっとマスクを付けたままなので、初めて共演する人の顔も分かっていません。マスクの下でどんな表情しているのか、本番舞台のお楽しみです。

どうかこのまま無事、幕を開けられますよう。携わる全員が祈り、対策し、万全の注意をはらって進んでいます。

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